第5回学校教材活用法セミナー レポート

 夏休みも終盤の8月23日、東京飯田橋にて第5回学校教材活用法セミナーが開催されました。
 学校教材をより効果的に活用し、指導に活かすための本セミナーは回を重ねるごとに参加人数が増えており、前回2月開催時よりも大きなベルサール飯田橋ファーストで行われました。

 定番となったドリルやワークテストを使った模擬授業では、まず漢字ドリル使って4日を1サイクルとした指導法を実践しながら紹介しました。お手本となる字を実物投影機で大きく画面に映しながら一緒に筆順を確かめて空書きします。
 「自分の顔の前に30センチの枠があると思って書きましょう」具体的な指示のもと空書きをさせます。まずスクリーンの文字を差しながら、次は子どもたちのほうを向いて一緒に、3回目は子どもたちだけで、最後は目をつぶらせて書かせます。それが終わると鉛筆を持ってドリルのうすい文字をなぞらせます。「1ミリもはみ出さないように」という指示で集中させていきます。


 2日目、3日目の書く練習を経て最後に「たしかめ」シートを使ってミニテストです。毎日行う学習だからこそしっかり繰り返すことが大事だと伝えます。
 次に、計算ドリルの模擬授業では筆算の単元でのノート指導やドリルの型分けと言われる計算の内容や難易度について、マークによって区別していること、この型分けを意識して授業に取り入れる工夫を伝えます。テスト直しの模擬授業では国語の説明文で解説します。「このように」とあればそれより前の部分を差していること、問われている部分には赤線を引かせること、など基本的なことを実物投影機を使って子供たちにわかりやすく提示します。参加者からは、こうやればいいんだ、見せながら指導するとよくわかる、と投影して表示する効果を改めて実感したという声が多く聞かれました。
 続いて行われたポスターセッションでは、4つのブースがあり、参加者は聞きたいテーマのブースに自由に参加しました。テストやドリル、宿題の連携システム、ノート指導のコツ、デジタル教材活用、研修パッケージの使い方といったどれも魅力あふれる内容です。会場は熱気に包まれ、登壇者も力がこもります。どのブースも人垣ができるほどの盛況ぶりでした。


 堀田先生のまとめでは、教材を知り効果的に使うことで指導力もあがり、学力向上につながるとして、保護者になぜこの教材を使うのか説明する責任があることを改めて語りかけました。
 終了後自由参加で開かれた若手教師お悩み相談コーナーでは、予想を上回る先生方が集まり、お茶を飲みながら輪になって座り、熱心にベテラン先生へ質問をしていました。丸付けは、いつどこまですべきか、ノートに1人ひとりコメントを書きたいが時間がない、など日々の具体的な質問も多く、あっという間の1時間でした。


この研究会は NPO法人 全国初等教育研究会 のもと活動しています。